NICUに赤ちゃんが入院していると、
「母としてできることが少ない」と感じる時間が続きました。
抱けない日もある。
思うように触れない日もある。
保育器の中に手を入れて触れることや、
おむつ替えができる日もある。
それでも、
「関われている」という実感を持てない日も多くありました。
そんな中で、
初めて「ちゃんと関われた」と思えた日があります。
母乳を、舐めてくれた日でした。
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新生児内科の先生から説明を受けた日

NICUでは、たくさんの説明があります。
新生児内科の先生から伝えられたのは、
赤ちゃんの状態、リスク、治療、今後の見通しなどです。
とても大切な話なのに、
情報が多すぎて、頭が追いつかないこともあります。
その日も、夫婦そろって説明を受けました。
呼吸のこと
心臓のこと。
脳出血のリスク。
感染症。
輸血の可能性。
栄養の取り方。
腸の状態。
ひとつひとつの言葉が重くて、
正直、頭が追いつかないまま、
不安だけが残りました。
出産当日の出来事については、こちらの記事にまとめています。
▶︎【胎盤剥離で緊急帝王切開になった日のこと】
母乳が始まるかもしれないと言われたこと
その説明の中で、言われた言葉がありました。
「明日から母乳を始めるかもしれません」
生まれてから3日間、点滴で栄養をとっていました。
母乳は、胃に管を入れて、注射器のようなもので
少しずつ時間をかけて入れていく方法になること。
赤ちゃんのお腹にとって、母乳は一番いい栄養であること。
でも同時に、腸閉塞のリスクがあり、
注意深く様子を見る必要があること。
嬉しい気持ちと、
怖い気持ちが、同時にありました。
その頃の私は、
搾乳して、冷凍して、NICUに届ける毎日。
「母乳を出すこと」だけが、
今の私にできる唯一のことでした。
初めて母乳を舐めてくれた日

翌日、NICUに行ったときのことです。
搾乳した母乳を使って、
綿棒で口腔ケアをすることになりました。
「記念すべき初めては、ママに」
そう言ってもらって、
私が綿棒を持ち、赤ちゃんの口元へ運びました。
すると、ちゃんと舐めてくれました。
その瞬間、
「ちゃんと関われた」
そう思いました。
ただ舐めただけ。
ほんの一瞬の出来事。
でも、私にとっては、
とても大きな瞬間でした。
それは授乳ではなかったけれど

それは、授乳ではありませんでした。
ミルクを飲ませたわけでもなく、
管から栄養が入る生活の中での、
ほんの小さな関わりでした。
それでも、
「初めて、あげられた」
と感じました。
母として、
初めて“役割を持てた”感覚でした。
不安が消えたわけではありません。
腸への影響も、リスクも、怖さもありました。
それでも、
嬉しかった。
救われた。
少し前に進めた気がしました。
NICUでは、小さな「できた」が心を支える
NICUでは、できないことの方が多いです。
抱けない日。
触れられない日。
見て帰るだけの日。
でも、
舐めてくれた
触れた
声をかけられた
関われた
そんな小さな「できた」が、
心を支えてくれます。
最後に
NICUでの毎日は、
不安と希望が交差する日々です。
NICUから帰って、次またNICUに行くまで
心配と不安でいっぱいになりました。
何もできないと感じる時間の中で、
小さな一歩が、心を支えてくれます。
母乳を舐めてくれた、あの朝は、
私にとって
「母としての時間」が始まった日でした。

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